将来有望な天才型アーティストユニット。その名もー
我が家には、「天才型アーティスト」がいる。しかも2人。
ユニット名は FOO & ZOO ── 5歳と2歳の即興クリエイター姉妹だ。
彼女たちの作品は、私の心を一瞬でワシづかみにする。
原色ギラギラの彩り、直感のままに暴走するアートスタイル。
その上、制作スピードは光速クラス。
秩序の上に成り立った整った世界をまるで嘲笑うかのように、
一瞬にしてその世界を崩壊に導き、わずか数分で新しい世界「芸術的カオス」を創造する。
誰かが言った「芸術は爆発だ。」
その言葉が、今日も私の頭の中でこだまする──。
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魔法の世界から、現実帰還。
「痛っ!」
アートの魔法が解け、我に返る。
足の裏に、プラスチックのスイカが突き刺さっている。ブー。
夜には来客予定で、掃除したばかりだというのに、
ちょっと目を離した隙にリビングは無事、個展会場と化していた。
秒速で散らかす才能、もはや尊敬に値する。笑
理想の世界観を壊してくれた娘たち。
結婚前、私はこう思っていた。
木の温もりに包まれた、シンプルでおしゃれな家。
それこそが幸せな家族の象徴だと。
そして、子どもたちが生まれて知ることになった。
理想だと思った住まいは、幻だと──。
ダイニングテーブルにはポケモンとプリキュアとアンパンマンのシールが乱舞し、
木目調の棚もテレビも、シールとクレヨンでデコレーション済み。
当初はそんな現実に抗っていた私だが、
いつ頃からかその世界に魅了されていった。(諦め)
そして思う。このリビングの姿、これこそが本当の幸せの象徴なのだと──。
【フーさん的解決策】今はきっと、これが最善の形。
半ば時間の経過とともに諦めた形ではあるが、
半ば本当に愛着も感じている今日このごろ。
そして、彼女たちが才能(という名の散らかし力)を持て余すことなく発揮するためには、
今の環境こそベストと言えるのではないだろうか。
こんな研究結果がある。
「散らかった環境は想像力を刺激する」
—— ミネソタ大学の研究(Vohs ら, 2013)
実験では、片づいた部屋にいる人より散らかった部屋にいる人の方が
「独創的・革新的なアイデア」を出す確率が高かったらしい。
(反対に整った部屋だと、規範的・従来的な考え方になりやすいらしい。)
たしかに、アインシュタインやピカソ、ジョブズも、
作業場は一見散らかっていたと聞く。
つまり、彼女たちが創り出すこの空間こそが、
彼女たち自身の創造力を育む、最高のフィールドなのだ。
だから、今はこれでいいのだ。
(と言い聞かせる。)
10年、15年も経てば、きっと彼女たちは「整理整頓」を覚え、
このリビングにも秩序が戻ってくる日が訪れるに違いない。
そのとき私は今のこの芸術的カオスを懐かしみ、
「なんだかんだ、あの頃がいちばん面白かったなぁ」と微笑む──はず。
きっと──。
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終わりに。
リビングの片隅に、お絵かきなどで使っている折りたたみのミニテーブルがある。
もちろん、表面には油性マジックにより
いろんなキャラクターや謎の模様が描かれている。
そしてその中に、
字を覚えてまだ1年のFOOが、こう記している。

「まいにちおんなじいちにちです」
……この言葉は、どう捉えるべきなのか。
たしかに、同じような毎日の繰り返し。
これは不平不満か、私と同じ「ブー」を糧に何かを生み出すアートスタイルなのか?
いや、もしかして──
同じような平凡に見える毎日の中にこそ、
変わらない幸せがあると伝えているのではないだろうか。
深い…。深すぎる…。
詩の才能まで爆発しているではないか。
🎶ちゃーらーらーらら〜〜〜
私の頭の中に、葉加瀬太郎の情熱大陸が流れ始める。
将来が楽しみだ。(親バカ)
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